子どもに「好きなもので遊んでいいよ」と声をかけるとき、遊びたいものは、子どもから見えるところにあるでしょうか。大人に頼まないと取り出せない棚もあれば、自分で手を伸ばせるかごもあります。今回は、子どもの「やってみたい」を支える環境を、大谷保育とピラミッドメソッドの資料から考えてみます。

遊びを支える、大人の関わり

オランダの幼児教育プログラム「Piramide(ピラミッドメソッド)」の公式説明では、豊かな遊びと学びの環境が重視されています。四つの基礎概念には、子どもの主体性とともに、保育者の主体性も挙げられています。子どもに任せきるのでなく、大人も環境や関わりを考える。その両方を含む方法なのですね。(Piramide公式)

家庭で考えるなら、たとえば、お気に入りの絵本を数冊、表紙が見えるように置く。安全に使える玩具を、手に取りやすいかごに分ける。買い足したり、部屋全体を整えたりしなくても、一か所から考えられそうです。年齢や使い方に合うものを選び、誤飲や転倒などの危険に注意し、置き場所や道具の状態を大人が確かめることは、欠かせません。

これはピラミッドメソッドの手順を家庭向けに再現したものではなく、環境を考えるための身近な提案です。選ぶのを手伝ってほしい日も、しばらく眺めていたい日もあるでしょう。「自分で選べたか」を、新しい合格点にしないでいたいと思います。

「ともに育ちあう」から考える

大谷保育協会は、真宗保育理念を「本願に生き、ともに育ちあう保育」と掲げています。その説明には、子どもが安心していられること、そして子どもと共にいる保育者自身も、自らの矛盾を知らされることが記されています。(大谷保育協会公式)

この理念とピラミッドメソッドは、成り立ちも役割も異なります。一方は親鸞聖人の教えに根ざす保育の理念であり、もう一方は遊びを通した学びを支える教育プログラムです。同じ教えだと重ねることはできません。

その違いを踏まえると、子どもに何かを求める前に、大人の側の環境や関わりを見直すところには、対話の接点があるように思います。選ばなかった子どもをすぐに評価するのでなく、置き方が分かりにくくなかったか、今は別のことに心が向いていないかと考えてみる。大人も問い直す側に立つ、という受け止めです。

今日できるなら、遊び道具のある場所を子どもの目の高さから一度見てみる。何を教えるかを考える時間のそばに、どんなふうに見えているかを確かめる時間も、置いてみたいと思います。

遊びを選べる場所を、ひとつだけ

真宗大谷派 西念寺


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