『愚痴』

 

思いのままになったら、

今日一日、

いきてはおれない、

愚痴の私でした。

~鈴木章子『がん告知のあとで」~

 ある日、病室のベットの側に座っていた私に、母は妙な質問をしました。「啓介。もしも、明日、世界が消えてしまうとしたら、残された1日、おまえは何をして過ごすのかい?」と言うのです。私は、いろいろな事を想像しました。「ディズニーランドで遊ぼうかな・・・でも、みんな働きたくないから閉館かもしれない。上手い料理を腹いっぱい食べたいな・・・でも、店主も家族水入らずでお食事したいから、閉店かもしれない。テレビでも見るか・・・だけど、キャスターも家族の顔を見ていたいから放送休止かな」。いろいろ考えていたら、出来そうもないことだらけ。「もう、普通にする。普段通りにするわ。」と、苦し紛れの返答をしました。すると、母は笑顔で頷いておりました。

「ある」とは、「ああしたい。こうしたい。」以前の「おかげさま」の事実。病室で、こんな問答を何度したことか。

 亡くなる年、病院の屋上で、母と姉は1時間ほど花火を眺めていたそうです。その後、ベットに戻った母は「ヒュー、バーン。ヒュー、バーン。」と、子どものように口ずさんでいたそうです。

南無阿弥陀仏(コメント;啓介)

愚痴

真宗大谷派 西念寺


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