気持ちは、出来事と同じ速さでは動いてくれません。
突然の別れのあと、
涙が出なかったという人にお会いすることがあります。
あの日は、
悲しむより先に、
やらなければならないことがありました。
電話をかけて。
手続きをして。
人を迎えて。
気づけば一日が終わる。
心は、
少し遅れて歩いてきます。
だからでしょうか。
月忌参りで、
「今年も桜が咲きました。」
「孫が高校生になりました。」
そんな話をされている途中で、
不意に言葉が止まることがあります。
「ああ、この人も楽しみにしていたな。」
そのひと言で、
あの日には流れなかった涙が、
何日、何カ月、何年も経ってから、
ようやく心に触れることがあります。
人には、
心が追いつく日があるのかもしれません。
心が追いつく日

