本日は「幸せ」とは、どのようにして見つけるのかについて考えてみようと思います。
今回は「世界幸福度ランキング」を参考にして考えてみようと思います。

※幸福度ランキングとは、SDSN(国連の持続可能な開発ソリューションネットワーク)によって、毎年3月20日「国際幸福デー」に合わせて発表しているランキングデータです。調査は世界の150か国以上を対象にして行われ、2012年から毎年実施されています。
調査で用いられるのは、主観的な幸福度を調べるためのキャントリルラダーと呼ばれる11件法で、0から11までの11段階をはしごで表し、自分自身の生活に対する満足度は、どこかを判断していく調査の方法です。
主観的な調査項目には「一人当たり国内総生産(GDP)」「社会保障制度などの社会的支援」「健康寿命」「人生の自由度」「他者への寛容さ」「国への信頼度」があげられ、さらに「各項目が最低値を取ると仮定されるディストピア(架空の国)」と、どれだけ差があるかを取り入れて導き出されるのです。
元々、国連機関は、国内総生産(GDP)をはじめとする経済指標を重視していましたが、世界的な金融危機や環境破壊など、社会を生きていくうえで、放ってはおけない問題が多発したことにより「経済指標だけでは本当の幸福度は測れないのでは」と考えるました。
このような経緯を経て、世界幸福度ランキングが毎年ひとつの指標として発表されるようになったのです。アメリカの調査会社ギャッラップ社が、対象国・地域の数千人を対象に行われ、結果を出します。そして、過去3年間の平均値をもとに、最終的なランキングが公表される仕組みになっています。
| 順位 | 国名 | スコア | ||||
| 1位 | フィンランド | 7.842 | ||||
| 2位 | デンマーク | 7.62 | ||||
| 3位 | スイス | 7.571 | ||||
| 4位 | アイスランド | 7.554 | ||||
| 5位 | オランダ | 7.464 | ||||
| 6位 | ノルウェー | 7.392 | ||||
| 7位 | スウェーデン | 7.363 | ||||
| 8位 | ルクセンブルク | 7.324 | ||||
| 9位 | ニュージーランド | 7.277 | ||||
| 10位 | オーストリア | 7.268 | ||||
| 11位 | オーストラリア | 7.183 | ||||
| 12位 | イスラエル | 7.157 | ||||
| 13位 | ドイツ | 7.155 | ||||
| 14位 | カナダ | 7.103 | ||||
| 15位 | アイルランド | 7.085 | ||||
| 16位 | コスタリカ | 7.069 | ||||
| 17位 | イギリス | 7.064 | ||||
| 18位 | チェコ | 6.965 | ||||
| 19位 | アメリカ | 6.951 | ||||
| 20位 | ベルギー | 6.834 | ||||
| 21位 | フランス | 6.69 | ||||
| 22位 | バーレーン | 6.647 | ||||
| 23位 | マルタ | 6.602 | ||||
| 24位 | 台湾 | 6.584 | ||||
| 25位 | アラブ首長国連邦 | 6.561 | ||||
| 26位 | サウジアラビア | 6.494 | ||||
| 27位 | スペイン | 6.491 | ||||
| 28位 | イタリア | 6.483 | ||||
| 29位 | スロベニア | 6.461 | ||||
| 30位 | ガテマラ | 6.435 | ||||
| 31位 | ウルグアイ | 6.431 | ||||
| 32位 | シンガポール | 6.377 | ||||
| 33位 | コソボ | 6.372 | ||||
| 34位 | スロバキア | 6.331 | ||||
| 35位 | ブラジル | 6.33 | ||||
| 36位 | メキシコ | 6.317 | ||||
| 37位 | ジャマイカ | 6.309 | ||||
| 38位 | リトアニア | 6.255 | ||||
| 39位 | キプロス | 6.223 | ||||
| 40位 | エストニア | 6.189 | ||||
| 41位 | パナマ | 6.18 | ||||
| 42位 | ウズベキスタン | 6.179 | ||||
| 43位 | チリ | 6.172 | ||||
| 44位 | ポーランド | 6.166 | ||||
| 45位 | カザフスタン | 6.152 | ||||
| 46位 | ルーマニア | 6.14 | ||||
| 47位 | クウェート | 6.106 | ||||
| 48位 | セルビア | 6.078 | ||||
| 49位 | エルサルバドル | 6.061 | ||||
| 50位 | モーリシャス | 6.049 | ||||
| 51位 | ラトビア | 6.032 | ||||
| 52位 | コロンビア | 6.012 | ||||
| 53位 | ハンガリー | 5.992 | ||||
| 54位 | タイ | 5.985 | ||||
| 55位 | ニカラグア | 5.972 | ||||
| 56位 | 日本 | 5.94 | ||||
| 57位 | アルゼンチン | 5.929 | ||||
| 58位 | ポルトガル | 5.929 | ||||
| 59位 | ホンジュラス | 5.919 | ||||
| 60位 | クロアチア | 5.882 | ||||
| 61位 | フィリピン | 5.88 | ||||
| 62位 | 韓国 | 5.845 | ||||
| 63位 | ペルー | 5.84 | ||||
| 64位 | ボスニア・ヘルツェゴビナ | 5.813 | ||||
| 65位 | モルドバ | 5.766 | ||||
| 66位 | エクアドル | 5.764 | ||||
| 67位 | キルギス | 5.744 | ||||
| 68位 | ギリシャ | 5.723 | ||||
| 69位 | ボリビア | 5.716 | ||||
| 70位 | モンゴル | 5.677 | ||||
| 71位 | パラグアイ | 5.653 | ||||
| 72位 | モンテネグロ | 5.581 | ||||
| 73位 | ドミニカ共和国 | 5.545 | ||||
| 74位 | 北キプロス・トルコ共和国 | 5.536 | ||||
| 75位 | ベルラーシ | 5.534 | ||||
| 76位 | ロシア | 5.477 | ||||
| 77位 | 香港 | 5.477 | ||||
| 78位 | タジキスタン | 5.466 | ||||
| 79位 | ベトナム | 5.411 | ||||
| 80位 | リビア | 5.41 | ||||
| 81位 | マレーシア | 5.384 | ||||
| 82位 | インドネシア | 5.345 | ||||
| 83位 | コンゴ | 5.342 | ||||
| 84位 | 中国 | 5.339 | ||||
| 85位 | コートジボワール | 5.306 | ||||
| 86位 | アルメニア | 5.283 | ||||
| 87位 | ネパール | 5.269 | ||||
| 88位 | ブルガリア | 5.266 | ||||
| 89位 | モルディブ | 5.198 | ||||
| 90位 | アゼルバイジャン | 5.171 | ||||
| 91位 | カメルーン | 5.142 | ||||
| 92位 | セネガル | 5.132 | ||||
| 93位 | アルバニア | 5.117 | ||||
| 94位 | 北マケドニア | 5.101 | ||||
| 95位 | ガーナ | 5.088 | ||||
| 96位 | ニジェール | 5.074 | ||||
| 97位 | トルクメニスタン | 5.066 | ||||
| 98位 | ガンビア | 5.051 | ||||
| 99位 | ベナン | 5.045 | ||||
| 100位 | ラオス | 5.03 | ||||
| 101位 | バングラデシュ | 5.025 | ||||
| 102位 | ギニア | 4.984 | ||||
| 103位 | 南アフリカ | 4.956 | ||||
| 104位 | トルコ | 4.948 | ||||
| 105位 | パキスタン | 4.934 | ||||
| 106位 | モロッコ | 4.918 | ||||
| 107位 | ベネズエラ | 4.892 | ||||
| 108位 | ジョージア | 4.891 | ||||
| 109位 | アルジェリア | 4.887 | ||||
| 110位 | ウクライナ | 4.875 | ||||
| 111位 | イラク | 4.854 | ||||
| 112位 | ガボン | 4.852 | ||||
| 113位 | ブルキナファソ | 4.834 | ||||
| 114位 | カンボジア | 4.83 | ||||
| 115位 | モザンビーク | 4.794 | ||||
| 116位 | ナイジェリア | 4.759 | ||||
| 117位 | マリ | 4.723 | ||||
| 118位 | イラン | 4.721 | ||||
| 119位 | ウガンダ | 4.636 | ||||
| 120位 | リベリア | 4.625 | ||||
| 121位 | ケニア | 4.607 | ||||
| 122位 | チュニジア | 4.596 | ||||
| 123位 | レバノン | 4.584 | ||||
| 124位 | ナミビア | 4.574 | ||||
| 125位 | パレスチナ | 4.517 | ||||
| 126位 | ミャンマー | 4.426 | ||||
| 127位 | ヨルダン | 4.395 | ||||
| 128位 | チャド | 4.355 | ||||
| 129位 | スリランカ | 4.325 | ||||
| 130位 | エスワティニ | 4.308 | ||||
| 131位 | コモロ | 4.289 | ||||
| 132位 | エジプト | 4.283 | ||||
| 133位 | エチオピア | 4.275 | ||||
| 134位 | モーリタニア | 4.227 | ||||
| 135位 | マダガスカル | 4.208 | ||||
| 136位 | トーゴ | 4.107 | ||||
| 137位 | ザンビア | 4.073 | ||||
| 138位 | シエラレオネ | 3.849 | ||||
| 139位 | インド | 3.819 | ||||
| 140位 | ブルンジ | 3.775 | ||||
| 141位 | イエメン | 3.658 | ||||
| 142位 | タンザニア | 3.623 | ||||
| 143位 | ハイチ | 3.615 | ||||
| 144位 | マラウイ | 3.6 | ||||
| 145位 | レソト | 3.512 | ||||
| 146位 | ボツワナ | 3.467 | ||||
| 147位 | ルワンダ | 3.415 | ||||
| 148位 | ジンバブエ | 3.145 | ||||
| 149位 | アフガニスタン | 2.523 |
※2021年調査は過去3年間の平均値
※参考(『World Happiness Report 2021』https://happiness-report.s3.amazonaws.com/2021/WHR+21.pdf)
このようになっています。「え、あの国の幸福度って高いの!」「あの国よりも下なの?」といった反応になると思います。知らなかった方々にとっては、かなり衝撃的なランキングになっております。

世界から見ると日本人は、不幸ではないにしろ「今、自分の生活は満たされいて幸せです」と断言できる方々はさほど多くないのかなと思いました。
どうして日本の順位はこれほどまでに低いのでしょうか。2020年の日本の順位は62位でした。しかし、2021年は56位と、わずかに順位を上げているのは確かです。
ですが、先進諸国と比べても圧倒的に低いことには変わり在りません。
1人あたりの国内総生産(GDP)の数値でみれば、日本の順位は決して低くはないでしょう。資源には乏しいものの経済は発達していますし、欧州諸国ほどではないが、社会保障制度も確立されています。寿命の長さは、世界でも上位で、海外と比較して「日本は治安が良く暮らしやすい」と感じる人が多いのではないでしょうか。
ではなぜ、日本の幸福度ランキング順位はこれほどまでに低いのか? その理由は「自由度」と「寛容さ」の二点にあるのではないでしょうか。
長期休暇を取る風習もなければ、「有給休暇はあっても取りづらい」と感じる人が多く、「休暇の取りづらさ」以上に、「職場の中で自分に合った働き方を自由に選択できない」と感じる点が問題だと指摘する声もあります。「FIRE」という早期リタイアがブームになっていたり、投資や仮想通貨をしているのが主流になりつつある今の時代においては、自分の人生に自由を求める時代なのかもしれません。
また、表現の自由も失われてきています。かつては過激な番組が多数テレビで放送されていましたが、今ではそのような番組はほとんど見られず、YOUTUBE等も大人向けのチャンネルや、過激な動画は厳しく規制されるようになりました。Twitter等のSNSでは、誰かもわからない者同士が互いの発言に対して目くじら立てて罵り合う始末です。
これは、他者への「寛容さ」の項目についても繋がっていると思われます。他者の意見や在り方に対して、厳しく言及する風潮が漂っているのは事実なのではないでしょうか。そのような社会では社会的に罰せられることを恐れ、「幸せ」と感じるほど自分を表現することはできないのではないでしょうか。その結果、「自分が我慢しているのに、あの人は自由にしている」「あの人だけ我慢していない」といった本来「悪」ではない人まで、根拠のない正義によって罰されることになるのです。
これに関して海外の順位が高いのは、寄付やボランティア活動の文化が非常に大きな要素となっていると考えられます。日本には、積極的に寄付をおこなったりボランティア活動に参加したりする風習が根付いておらず、「困っていても自己責任」というようなな風潮が根付きやすいのかなと思いました。社会全体でこうした取り組みが積極的におこなわれている国ほど、幸福度ランキングは上昇しやすいという特徴があるのです。
GDPや健康寿命など、客観的な数値で示されるデータに注目すれば、日本は間違いなく「幸せな国」にもかかわらず、一方で、国民の主観にもとづくデータを見ると、「幸せではない国」としての要素が見え隠れするのです。この主観的データが、幸福度ランキングで日本の順位が低迷する原因であるように思われてなりません。
しかし、幸福度=暮らしやすい国ということでもありません。
世界幸福度ランキングは、人によって基準が異なる「幸福度」を、わかりやすい数値で示すための取り組みのひとつでしかなく、できるだけ幅広い観点から「幸福」を捉えるための調査がおこなわれているが、それは決して完璧といえるものではないでしょう。幸福度ランキングで上位になれないからといって、それが即「不幸」と断言されるべきことではありません。
しかし「人生の自由度」が上がれば、日本の社会において「暮らしやすい」と感じる人は格段に増えるはずであり、「他者への寛容さ」が上昇すれば、社会全体でやさししく寄り添い合える、理想の仕組みができあがるのではないでしょうか。
日本人の幸福度を上げるために、いま必要なものは何なのか。世界幸福度ランキングは、それを見つける一つの重要な指標であることは、紛れもない事実でしょう。私たち日本人の一人ひとりが、「自由」と「寛容」を意識して生活するようになれば、順位だけではなく、国民それぞれが抱える「幸福感」も上昇するかもしれないとは思いませんか?

しかし、大切なのは宗教かどうかということよりも、宗教を通して語られていることの本質は何かということではないでしょうか。
私たちは、仏教では等しく、凡夫と呼ばれる存在です。凡夫とは、煩悩にまみれた存在を意味します。そして、凡夫であることは否定されません。他宗派への言及は避けますが、浄土真宗の僧侶はもれなくみな凡夫であり、いち凡夫として、仏教を率先して学びます。煩悩を断つ修行をするのではありません。もし、煩悩を断つことができる崇高な人間のみが悟りを獲るなら、煩悩を断てないものを見捨てることになってしまいますし、相対的に見捨てられた者たちは不幸であるとされてしまうでしょう。かなり尖った私見にはなりますが、宗教の意義とは、すべての者を対象として語られる、つまり普遍性があるところにあるように感じます。まさしく「寛容さ」でしょう。
「世の中のほとんどの悩みは、命が終われば悩みではなくなる」という言葉を聞いたことがあります。命が終わった時には、今私たちが悩み解決しようとしている原因も結果も持っていくことはできません。
もし死後もお金を持っていて自分が得することがあるのなら、健康な体であれば得するのなら、家族友人を連れていけるのなら、必死になってそれらに対する満たそうとするでしょう。しかし、冷静になって考えてみれば、それらを一つも持っていくことはできず、生きている間に悩んでいたことですら人生を彩った色の1つであるように思います。
今、悩んでいることが苦しく、辛いことが現実としてあり、それを解決する手段を、仏も僧侶も持ち合わせているわけではありません。自分の心の在り方以外を都合よく動かすことなどできないのです。
ですが、「世の中のほとんどの悩みは、命が終われば悩みではなくなる」という視点に気づかされた時、少しだけ肩の荷が降ろされたような気持ちになりましたので紹介させていただきました。
今、悲しんでいること、怒りを感じていること、苦しんでいることは、本当にそこまで感じる事なのでしょうか。今一度、立ち止まって考えてみるのも悪くないような気がします。
もしかすると、他人に対しても、自分に対しても少しだけ優しくなることができて、そこにある幸せが見えるかもしれないと思いました。

