11月15日~17日にかけて宗祖親鸞聖人の報恩講が厳修されました。

今年の報恩講の立華は若院と2人で行いました。

「まずは道具から入るか」と、子供にバットやグローブを買うように若院用の道具を揃えました。「台木を組む時は中心を外さないように」とか、「根本はしっかり締める」とか、ああだのこうだの言っているうちに、ふっと「全部、石井さんの言葉だ」と自分にビックリしました。石井さんは私が幼少のときから立華をしてくださっていたご門徒で、1週間以上かけて立ててくださってました。私が時折、仕事の様子を見に行くと、「あんたの爺さん、先代には子供のようにかわいがってもらった」と、昔の話を沢山聞かせていただきました。立華についてもいろいろお話くださいました。「いいトドマツの葉というのは、ぎゅっと枝がこんで裏を見るとこうやって白くなってる」とか「てっぺんの枝を盃型につくるのは、仏様の教えをしっかり頂くための形だぞ。あんたの場所もあるんだぞ。正真といってな、曲がってちゃだめだ。山からとってきた松の中から一番いい枝を選ぶんだ」。石井さんが、喜んで話したくて私の口を通して若院に話しかけている気がします。

若院はすごく丁寧。裏葉もきれいにとって少しずつ少しずつ完成に向かっていく。そういう姿勢に立派だなあと思いました。

11月15日、幼稚園のお友達が本堂に集まって、子供の報恩講をしました。僧侶は住職と若院の2名でしたが、ご門徒の満日中と同じく、登高座、嘆徳文の拝読もしました。真宗門徒に一番大切にしてきた行事は報恩講。ありのままに触れてほしいと願っています。

勤行が終わったあとで「あれ、園長が歌ってたの?」という子供たち。お歌に聞こえているのですね。敷き詰められた座布団で少しコロコロして、その後、喜んでお片付けしてくれ、最後にダイブ!楽しい初日でした。

16日は、朝から世話方さんと婦人会の皆さんが準備をしてくださいました。落ちたイチョウの葉を集めて、トラックに詰めて持って行ってくださったり、提灯の準備、幕張に、本堂の椅子ならべ、ろうそくの用意など。外にいたので写真は撮れなかったのですが、ご婦人の方々も昼食のカレーライスを作ってくれたり、来寺くださる僧侶の方々の接待等。本当に有難いことです。カレーライスを食べた時、「あっ、これこれ、お寺の味だ」と感じました。カムバックです。

大逮夜の勤行には、僧侶が10名来てくださいました。コロナで3年自粛していたので久しぶりです。ふと、若いころを思い出して、昔は「おれが一番だ」と言わんばかりの大声を張り上げたり、音階を引き上げたりと喧嘩声明でしたのに、今はお互いの喉の具合や体調に心配りしながらのお勤め。それはそれでとても優しい感じがして好きです。月日を感じます。ご参勤くださることの有難さを知らされます。

ご法話は、「袴田事件」の袴田さんのお母さんと起訴したほうの方が先生のおられる施設に入所されていたということでした。その長い長い歩みを聞かせていただきました。お話を終えられた後、布教使部屋で「先生のお話を聞いていると足音が聞こえます」というと、「けいちゃんは、そういう感覚的なことをいう」と懐かしそうに言われました。生きた智慧には自証ということがある。自証とは時を伴うのでしょう。理屈には足音が聞こえない。幽霊ではないですかね。

17日は、朝早くから婦人部の皆さんが準備に来てくださいました。写真を撮ると「私のサボってるところ、とらないでね」とからかわれました。滅相もない、本当に有難いです。満日中のお仏飯は凄く大きいので、男の人たちも運びながら「これ何升あるんだべ」と言ってますよ。わたしもわからないので、「一番大きいのは小さな炊飯器のカマ1つ分くらいじゃない?」と・・・無知です。帰りにでっかいお仏飯を一つづつ分け合いました。

満日中のお勤めでは、下高座の作法、間違えちゃいました。変なところで中啓を持ってしまって・・・。あとで法中の皆さんに教えてもらいました。私の言い訳「だって、中啓が見えちゃったからひろっちゃった」と、子供のようなことをいって笑われました。「西念寺流です」という方もおられ、間違っても堂々とやればいいと心のケアも賜りました。指摘されケアされ・・・御同行は有難い。

17日は先生の息子さんのお話でした。聖典がボロボロになるまで勉強され布教に励んでいたのに、大きなアクシデントによって大変なリハビリとなったこと。それ以降、不自由を抱え、まったく布教するのをやめた息子さん。3年たって法話をすると言い出した時、知識は失われど、体にしみ込んだ仏法が残っていたのだと知った。時節到来して立ち上がらせたのだということを感動をもって語られました。

私はお話をききながら、「こういうことなのですね」と藤代先生のお言葉を思い出していました。

本願の名号は


浄土とともに東から来て


私の中に入って 


西に運んでいく 


大悲往還である


お話のあとのお斎(昼食会)は、うどんと天ぷらをいただきました。とても美味しかったです。「住職、若いのだから、もう一杯おかわりしてね」とすすめてくださり、お腹いっぱい食べました。帰り際に玄関先では、おばあちゃん達と談笑したりと、本当に嬉しい報恩講でありました。

南無阿弥陀仏

報恩講のご報告

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